華家
-HANAYA-
好きなものを好きな時に
No.653
NOVEL,テニプリ,塚跡,塚跡お題100本マラソン 2025.01.31
#お題 #両想い
なぜこんな体勢なのか、甚だ疑問だった。「なあ手塚」 跡部はその疑問をついには口に出す。「なんだ」「…
NOVEL,テニプリ,塚跡,塚跡お題100本マラソン
お題:リライト様 /「体温高いよお前」
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なぜこんな体勢なのか、甚だ疑問だった。
「なあ手塚」
跡部はその疑問をついには口に出す。
「なんだ」
「これ、楽しいか?」
「俺は楽しいが」
そうかよ、とため息と共に返してやる。
何しろ、小一時間ほどずっと、足の間に座らせた跡部を背中から抱きしめているだけなのだ。ソファは広いし、二人で並んで腰をかけても、いっそ寝転がってもまだ余るというのに、なぜ。
さらに分からないのが、お互いその体勢でそれぞれ文庫本を読んでいる。跡部は右手に持って左手でめくる。手塚は左手で持って右手でめくる。正直、邪魔だ。読んだことのある本だといってもちゃんと文字を追いたいのだが、集中できやしない。
だが、無理に離れようとは思わなかった。手塚がこうしたスキンシップを望んでくるのは珍しいからだ。
恋人同士という間柄ではあるが、いつも積極的なのは跡部の方。キスをするのも、ベッドに誘うのも。
だから今日、広げた脚の間をぽんぽんと叩いて呼ばれたことには驚いたのだ。
くっつきたがってくれているのかと思うと、やはり、嬉しい。
本を読むのはもう諦めて、手塚の胸に背中を預けてしまう。シャツ二枚越しに感じる体温は心地良くて、こんな穏やかな時間も悪くないと思う。
「あったけぇー……体温高いな、お前」
「そうか? 今日は少し肌寒いからな、余計にそう感じるんだろう」
「あ、まさかお前、俺を毛布代わりにしてんじゃねえだろうな」
「………………そんなことはない」
「おい今の間は」
不機嫌な声で抗議すると、手塚は本にしおりを挟んで閉じ、両腕でぐっと抱いてきた。
「確かに毛布は暖かくて好きだが、毛布に欲情する趣味は持ち合わせていないのでな」
「お前のそういうスイッチどこにあんだよ? こら待て、ステイ、脱がしにかかるな」
「跡部は着たまましたいのか」
「んなこと言ってねえ!」
広いソファにどさりと押し倒されて、跡部は予想外の展開に頬を染める。
「お前が可愛らしくくっついてきたりするからだぞ。俺のせいじゃない」
言いながら、手塚は器用にボタンを外していく。
最初に可愛らしくくっついてきたのはお前の方だろと、跡部は言いかけたけれど、やめておいた。どうやったってこのソファはこの後ベッド代わりになってしまうのだろうから。
#お題 #両想い