華家
-HANAYA-
好きなものを好きな時に
No.190
その他ウェブ再録 2013.12.29
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「こういう時、ハーノインと答えられない私は、やっぱりアイツをそれほど好いていないのかもしれない」「私…
その他ウェブ再録
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「こういう時、ハーノインと答えられない私は、やっぱりアイツをそれほど好いていないのかもしれない」
「私としては、ハーノインと答えてくれるのを待っていたんだが……」
失敗だったなとアードライはため息を吐く。イクスアインほどカインに信頼を寄せているわけでもないアードライとしては、仲間として認めている、より近しい存在を選んでほしかった。
「だが、たとえ誰かの助けが要るのだとしても、ハーノインが私の力を必要とするだろうか? アイツはなんでもソツなくこなしてしまうからな。私が助けられることばかりだ」
少しだけ口調の変わったイクスアインに気がつき、アードライは顔を上げる。
「いつだってそうだった。ハーノがいなかったら、あの厳しい訓練にも耐えられなかっただろうな」
共に幼少時代を過ごし、育った故郷を襲撃され、それでもあそこでくずおれてしまわなかったのは、ハーノインがいたからだ。カルルスタインに入ったあとも、何度もくじけそうになったのに、ハーノインは傍にいてくれた。
「友人でも幼なじみでも恋人でも、アイツを表現するには言葉が負けてしまうように思う」
イクスアインの口許がゆるむ。滅多に見ないその表情に、アードライは目を瞬いた。
「イクスアイン……自覚をしていないのかもしれないが」
「え?」
「相当のろけているぞ、それは」
聞いているこちらの方が照れくさくなってしまう、とアードライは続ける。のろけている? とイクスアインは反芻し、理解して顔から火を噴いた。そんなつもりではなかったのに、懐かしさがそうさせたのだろうか。
「安心しろイクスアイン、お前はハーノインを好きで仕方がないようだ」
「いや、あの、これはっ……そういうつもりで言ったんじゃなくて」
「好きではないのかもなどと、どの口が言うのか……」
心配をするだけ無駄だったなとアードライは呆れたようにため息をついた。他人からはそう見えるのかと、イクスアインはいたたまれなくなる。
「ハーノインにも訊ねてみたいが、どんな答えが返ってくるのだろうな」
「ハーノに? まじめに答えるだろうか、アイツ」
互いが好きあっているのなら邪魔をしないようにしようとは思うが、ハーノインの方はまだ気持ちを聞いていない。いい加減な気持ちではないと思うが、いったいどれほどのものなのか。
「まじめな交際なら、まじめに答えるだろう?」
「…………そう、だな」
「何か気がかりでもあるのか」
口ごもるイクスアインを不審に思って、アードライの顔が険しくなる。
「いや、気がかりというか……その、もし聞いたら……お、教えて、ほしい……」
次第に俯いていくイクスアインの声が、小さくなっていく。
「好かれているとは思う。だが……どこをどんな風にどれだけ想ってくれているか、知らないんだ」
アードライはなんだそんなことかと息を吐いた。やはり相手の気持ちは気になるだろう。第三者に対して、自分のことをどう思っているかという問いに、なんと答えるのか。
それは、自身に直接言われるのとはまた違う趣きがあるのだろう。
「だったら、イクスアインが私に対して言ったハーノインへの想いもアイツに教えてやるのがフェアだが、どうする?」
「えっ、あっ……それは……少し、待ってくれ」
そうか確かに自分だけ聞いてはフェアじゃないなとイクスアインは気がつき、だけど今言ったものを伝えられても困る。
「せめてひとつくらい、アイツの好きなところを挙げたい……が、迷っていて」
律儀な男だなとアードライは思う。ハーノインのどこに惹かれたのかと訊いた自分に対しても、答えるつもりらしい。
「一日くらい待つが?」
「…………そうしてくれるとありがたい」
ちゃんと考えると呟くイクスアインは、珍しく歳相応の顔つきだった。アードライはそれにふっと笑う。きっとハーノインは、アードライが知らない顔をたくさん知っているのだろう。そしてイクスアインも、アードライの知らないハーノインをたくさん知っているに違いない。
「楽しみにしている」
そろそろ乗馬の時間だとアードライは腰を上げる。今日はいつもより楽しいかもしれない。
「イクスアインは、このあとどうするんだ?」
「ここで少し本でも読みながら考えることにする」
「ああ、じゃあティーポット置いておくから、好きに使うといい」
「いいのか? 茶葉、もう残り少ないみたいだが……」
アードライのお気に入りのものじゃないかと続けるが、アードライは構わないさと笑った。
「また買ってくる。午後からは街に出てみようと思っていたところだ」
「そうなのか。ちょうどいい、私も街へ行くから、一緒に出よう」
迷惑でなければと付け加えたイクスアインに、アードライはこちらこそよろしく頼むと笑ってみせる。では午後にと声を交わし、アードライは談話室をあとにし、イクスアインは紅茶を入れ直しソファに腰をかけた。
心遣いの礼に茶葉でも買って渡そうと、香り高い紅茶を、気分を変えてストレートで飲んでみた。
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