華家
-HANAYA-
好きなものを好きな時に
No.188
その他ウェブ再録 2013.12.29
#革命機ヴァルヴレイヴ #ハノイク #ハーノイン #イクスアイン #両想い #ウェブ再録
最近、気づいたひとつのことがある。 それは、目覚めるといつも恋人の指に自身の髪が絡んでいることだ。…
その他ウェブ再録
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最近、気づいたひとつのことがある。
それは、目覚めるといつも恋人の指に自身の髪が絡んでいることだ。腕を枕にして眠っても頭を抱えられているし、背中を向けて眠ってもなぜか彼の指は髪を絡めている。
別に不快な感覚はない。むしろその指先が触れているから、ひとりの時より深く寝入ることができると自覚していた。
イクスアインは目蓋を閉じ、恋人の体温をもう一度確認してから目蓋を持ち上げる。まだ眠っている彼を起こさないようにゆっくりと体を起こし、脱ぎ捨ててあったシャツを羽織ってベッドを降りる。
ん、と少し寒そうに身じろいだ男を見下ろして笑い、ブランケットを肩まで引き上げてやった。
気怠い体で身支度を整え、彼の触れていた髪を指で梳いて整える。
そうしてから、すぅすぅと寝息を立てる彼へと手を伸ばした。
「―ハーノイン、ハーノ。起きろ」
軍人がこんなに無防備に深く寝入っていいものかと思うが、そこは自分がいるから安堵できるのだと少しだけ自惚れておこう。
「ん……? なにイクス、もう戻るのか?」
揺り起こした相手は眠そうに目をこすりながらもベッドの上で体を起こした。まだ起床時刻ではないことには申し訳ないと思うが、出ていく時には起こせと言うのは彼の方だ。
「ああ、今なら人目にはつかないからな」
「泊まっていけばいいって、いつも言ってんのに」
「馬鹿、こんな狭いとこに泊まるなど、見つかったら言い訳のしようがないだろう!」
これももう、何度したやり取りだろうか。
ハーノインとは、幼なじみであり、カルルスタイン機関の同期でもあり、それと同時に恋人でもあった。
体を重ねながらも絶対に朝をこの部屋で迎えないのは、ひとえに内密の関係だからだ。もう少し広い部屋ならまだしも、ベッドとデスクを置いてしまえばそれまでというくらいの面積では、二人でいるには狭い。さらに言えば、イクスアインの部屋は隣だ。そこまで歩くのが困難という言い訳もできない。
「ま、しょーがないか。俺だって、バレてお前が変な目で見られるのは嫌だからな」
ハーノインが、ベッドの上から腕を伸ばしてくる。それに招かれて、イクスアインは腰を折って身を寄せた。そうやって口唇が重なるのもいつものこと。
そんな時にもハーノインの指先は髪をいじっていることに気づいて、思わずおかしくなってしまった。
「なんだよ?」
「いや、別に」
軽い挨拶程度に済ませ、朝の触れ合いを終える。もう部屋を出なければ、早い者は起き出して廊下を歩いていてもおかしくないのだ。
「イクス、街行くんだったら起こして。俺も一緒に行くから」
「また寝るつもりか。たまにはそのまま起きててみろ」
「やーだ、ねみい」
ハハハと笑って、ハーノインはまたベッドに横たわってしまう。有事でない時くらい規則正しい生活を心がけろと言ってやりたいが、彼にとってはそれが規則正しいのかもしれない。
イクスアインはため息を吐き、踵を返す。
「おやすみ、イクス」
「……ああ、おやすみハーノ」
眠そうな声にそう返して、扉越しに通路の様子を窺ってからドアを開けた。足早に自分の部屋へ向かい、やっと一息つく。
時刻は〇六〇三。起床までもう少しあるが、ハーノインのように眠ってしまうことはできない。しかし体は休息を求めていて、イクスアインは仕方なくベッドに体を横たえた。こうしているだけでも疲れは取れるだろうと、セットしたアラームを確認して目蓋を伏せる。
起床まで一時間。疲れた体と、正反対に幸福な気持ちを反芻するこの時間は、決して嫌いなものではなかった。
ほんの少し―寂しさと不安があることを除いてしまえば。
#革命機ヴァルヴレイヴ #ハノイク #ハーノイン #イクスアイン #両想い #ウェブ再録