華家
-HANAYA-
好きなものを好きな時に
No.16
NOVEL,D.Gray-man,ラビユウ 2005.12.25
#両想い #ラブラブ #クリスマス
寒い、と言い出したのはどっちが先だっただろうか。 窓から覗くのは白い白い牡丹雪。 空のこんな高いと…
NOVEL,D.Gray-man,ラビユウ
favorite いいね ありがとうございます! 2005.12.25 No.16
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寒い、と言い出したのはどっちが先だっただろうか。
窓から覗くのは白い白い牡丹雪。
空のこんな高いところにいても、それでもやっぱり雲の下にいるのだから当然雨も雪も舞い降りる。
ただ、もっと低い、いわば地上にいた頃より、空からの降下物は近くなった気がしてた。
「ユウ、ダイジョブ? 寒くない?」
「寒いに決まってンだろうが。誰のせいでこんな格好してると思ってやがんだ」
一応暖炉に薪はくべた。ふわふわの毛布も何枚か持ち出してきた。
せっかくだから窓辺で雪を見よう、と言って聴かないラビにつき合わされ、音もしない雪を、ふたりで見上げだしたのは、確か1時間ほど前で。
それでも最初の方は、故郷の季節について語り合ったりしていたんだ。冬にはとてつもない雪が降る、とか。夏にはセミがうるさくてかなわない、とかそんなこと。
「えー、オレのせいさ? なにユウちゃん。服着たままの方が興奮する?」
「誰がそんなこと言ってる」
やがては指先が冷えてきて、ぎゅって手を握り合ってしまったのが、そもそもの間違い。
久しぶりのそろっての休み、薄暗くなってしまった外の景色、しかもホワイト・クリスマス、なんて、雰囲気も手伝って、自然と口唇が合わさってしまう。
柔らかなブランケットの上にふたり倒れこんで、繋がりを深くしてしまったのは、どちらもお互いを責めきれない。
「少し、疲れた」
「眠る?」
優しく髪をなでながら、耳元で囁く。そういえば寝顔ひとつにドギマギしていた、そんな時代もあったなぁなどと、少し物思いに耽った。
「バカ、こんなとこでこんな格好で眠ったら、それこそ風邪を引く」
一糸まとわぬ姿なら、それは否めない。確かに抱きしめてくる彼の体温は温かかったが、眠ってしまうには、包む毛布が頼りない。
「明日、だっけか。教団のパーティー」
「うん。リナリーが、任務から帰ってくるはずさ」
一緒に出ようねとラビが額にキスを贈る。
くすぐったい、と身を捩るユウの首筋に、スキ有りとばかりに口づけた。
「バッ…」
口唇でラインを辿り、濡れた舌で熱を確かめる。
「バ…カ、やろ…まだ足んねェのかよっ…」
「足りんさ」
「おいッ……やめ…」
ブランケットの中で脚が絡まる。尚も抗議を続けようとするユウの口唇を、無理に塞いだ。
「んんっ…」
奥深くまで貪ると、気持ちよさそうに鼻を鳴らして背中に腕を回す。この人は本当にキスが好きだと、よりいっそう愛情込めて抱きしめた。
「っは……」
「ユウ…やっぱ身体少し冷えてるさ」
「んあっ…」
何処を触っている、と振り上げた拳は、いとも簡単に受け止められてしまう。どだい、こんなことをされていては力が入るはずもないのだ。
「ごめん。でもこんな日くらい、オレのワガママに付き合ってよ、ユウ」
組み敷いて見下ろした恋人の、綺麗な蒼眼が見開かれる。その中に映っているのが自分と天井だけで、嬉しいなんて思った。
「べ、別に…お前と、こ、こんなことすんの、ワガママに付き合ってるわけじゃねぇぞ…!」
言われて、首をかしげた。
顔を真っ赤にしながら言い募る、その表情が、たまらなく愛おしい。
「俺が……お前を欲しがってないとでも…思ってんのか」
「…ユウ…」
愛しくて、愛おしくて、強く抱きしめた。
普段、こんなことは言ってくれない恋人に、いくつもの、いくつもの口づけを降らせる。
窓の外に舞う、雪のように。そっと、静かに。
「ユウ、ユウどうしたんさ? 今日はめちゃくちゃ嬉しいこと、言ってくれる」
本当に嬉しそうなラビの表情に、ユウの頬が思わずに綻ぶ。
「クリスマス、だからな」
白い雪に酔ったのかも知れない、とユウは照れ隠しに続けた。
じゃあ毎日クリスマスだといいのにな、と口づけてくるラビを、呆れながらも愛しいと思ってしまったことは、言わないでおこう────
翌日ふたり、風邪を引いてパーティーには出られませんでした、とさ────。
#両想い #ラブラブ #クリスマス