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日々のつぶやき 2025.10.05
13~15話まで一気に見れたの嬉しい😄神門大好きなので今クールはリアタイしたいなー。#観劇 #暗鬼ア…
テニミュまさかの天覧試合だったーーーー!🤭
今日のテニミュ、マチネに行ってきました。
テニミュ初日に行ってきました!は~テニミュ最高ーーーー!
世界でいちばん贅沢な
贈る側のはずなのにと同じ世界線
少し遅くなってしまった。
そう思いながら、いつもより足早にエントランスをくぐり、いつもならするコンシェルジュへの会釈もそこそこに、エレベーターのボタンを押した。最上階というのは景色も映えて良いのだが、急いでいる時はありがたくない。
狭くはない箱に乗り込んで、俺はすぐにクローズボタンを押した。普段よりエレベーターの速度が遅い気がするが、まあそんなことはあり得ない。俺の気が急いているだけだ。
時刻は23:50、もうすぐ日付が変わる。いや、他国で考えればもう日付を超えてしまっているところだってある。日本であったら、どうだろうか。
いや、ともかく今この場所でなら日付は変わっていない。まだ10月3日だ。
なぜこんなにも焦っているのかというと、あと10分ほどで恋人の誕生日を迎えるためだ。
…………いまだに、恋人という言葉がしっくりこない。
どうにも、アイツと俺の関係性を示す言葉として舌に慣れないんだ。
眉を寄せて、では何という言葉ならいいのかなどと考えているうちに、エレベーターは最上階へ着いた。なんとか間に合うなと思い、まずは自分の部屋へと向かった。このフロアは二世帯しかなく、一つは俺、もう一つはアイツの――跡部の部屋だ。
一緒に住むかと提案したのはどちらだったろうか。
お互いの希望を最大限に考慮した結果、フロアごと借り切った方が楽だと落ち着いた。跡部の私物が多かったせいで、一部屋で収まらなかったというのが理由の一つに挙げられるが、他の隣人に気を遣わなくてすむというのはありがたい。
電子キーのボタンを押してロックを解除する。用意したプレゼントを持って、急いで隣の部屋に向かおう。
そう思ったのに。
俺はリビングのテーブルに置いていたプレゼントが消えているのに気がついて、目を瞠る。
どうして。
今朝、出がけにちゃんと配送を受け取ったはずだ。セキュリティも万全だから盗まれるはずもない――と冷静に状況を把握、……しきる前に、理解した。
テーブルの傍のソファに、一人の男が眠っている。俺が用意した薔薇の花束と、プレゼントの箱を大事そうに抱えながら。
俺は大きなため息を吐く。
驚かせようと思ったわけではない……わけでもないが、当日を前に渡すはずではなかった。
渡した時の驚いた顔も見たかったなという俺の気も知らずに、その男――跡部景吾は気持ちよさそうに眠っている。ソファじゃ体が休まらないだろうに、それでも幸せそうだ。
起こすのも忍びないが、ここは起きてもらおう。
「跡部」
名を呼んで少し肩を揺さぶってみるも、起きない。
「……跡部」
声の大きさを増やして呼んでも、起きない。
仕方ないなと俺は腰を折って、前髪をかき分けて額にキスをした。そうして離し、言ってやる。
「跡部、起きているんだろう」
一秒置いて、フッと空気を揺らす吐息のような笑い声。肩が揺れた。
「ばぁか、ここは唇にキスして起こすのがセオリーってもんだろ」
目蓋が持ち上がって、青い瞳が姿を現す。相変わらず綺麗だな、コイツの瞳は。
「そんなセオリーなど知らないが。ところでどうしてこっちにいるんだ」
「こっちの方が落ち着く」
跡部は寝転がっていた体を起こしながらそう呟く。俺は二度目のため息だ。
「自分の部屋を落ち着く環境に整えろ」
「怒るなよ。お前の生活感があるこっちの方がいいって話だ。まあな、今回ばかりは何も見なかったフリして隣に戻ろうかとも思ったんだぜ」
抱えたままの花束、薔薇の花弁にキスをする跡部に、何とも気まずい気分になる。ガラじゃないことは分かっているんだが、たまにはこういうのもアリだろうと思った自分を蹴り飛ばしてやりたい。
「で、手塚? 言うことねーのかよ」
楽しそうに口の端を上げた跡部に、ハッとして時計を見てみれば、時刻は00:01。今この場は、10月4日。跡部の誕生日だ。
「誕生日おめでとう、跡部。よい一年になるように祈っておく」
思い描いていた予定とは違ったが、いちばん始めに祝えたことには変わりがない。跡部とこういう関係になってから気づいたが、独占欲というものが俺にもあったらしいからな。
「サンキュ、手塚。歳を重ねる瞬間に、お前といられるのが嬉しいぜ」
満足げに、幸福そうに、跡部が微笑む。…………なんなんだろうな、この眩しさは。コイツは年々輝きを増していくようだ。年々というか、試合ごとにというか、もう、日々にというか。
もう慣れたが。慣れるほどには傍にいたという事実が、俺には幸福に感じられた。
「それにしても、薔薇の花束ね。お前にしては珍しいチョイスじゃねーの」
「……気に入らなかっただろうか」
「んなわけねーだろ。お前がどんな顔してこの花注文したのか見たかったけどな。毎年、何がいいかって訊いてきただろ。だから珍しいなと思って」
そうだ、いつもは跡部が欲しいものを確認していた。逢える時間が少なかったというのは、言い訳だろうな。
「もしかして、欲しいものがあったか?」
「訊かれたら言おうと思ってたものはあるぜ」
跡部は花束を今一度抱きしめてから、そっと傍らに置いた。いつもと同じようにした方が良かったなと、ここで悔いた。今からでも買えるものだろうか? 資金はあるからあまりに高額なものでなければ一緒に買いに行こうと提案してみるか。
そんな風に思案していた俺を見てか、跡部がフッと笑ったような気がした。
「世界でいちばんの贅沢品だぜ」
「……俺が買える範囲にしてくれ」
「手塚国光からのキスが欲しい」
何を言われているのか、一瞬分からなかった。跡部は楽しそうに、それでも少し照れくさそうに笑う。
「は?」
キス、と言った、な? キス? 誕生日にか?
「待て、贅沢品と言っていただろ……あ」
「アーン? てめェはねだってんのに、俺様がねだっちゃ駄目なわけはねえよなぁ? 手塚」
キスが贅沢品なわけあるかと言いかけて、思いとどまる。
なにしろそれは、俺が毎年跡部にねだっているものだからだ。跡部からのキスが欲しい。いつもそう言って、跡部を呆れさせている自覚もあった。だけど俺にとって、それは最高の贅沢品だ。他の誰も手に入れられないものだからな。
跡部が、何も誕生日に欲しがらないでもいいだろと言っていた気持ちを、今しっかりと理解する。本当に、誕生日のプレゼントとしなくてもいいだろう。
いつもと同じだろ。そう言っていた跡部の気持ちも、よく分かる。
ということは、跡部も、キスが欲しいと言い続けた俺の気持ちを理解してくれているのだろうか。
「な、手塚……キス、くれよ」
こんなふうにうっとりとした顔をされて、断れるわけもない。
俺は跡部の前に膝で立ち、両手を彼の頬に伸ばした。その行動で察してくれた跡部が体を俺の方へと傾けてくれる。
「……目、閉じないのか」
「俺がお前の顔好きなの知ってんだろ……」
はっきりと言うヤツだな。悪い気はしない。俺も跡部の顔は好きだからな、見ていたい気持ちは分かる。
だから、唇が触れてもお互い視線を合わせたままだった。
触れて、食んで、ぺろりと舐める。
どちらからともなく舌を絡めて、ようやく目蓋を閉じた。
跡部の腕が俺の首に回ってくる。もっと深いのをご所望らしい。俺も跡部をグッと引き寄せて奥へと入り込んだ。
跡部の唇が濡れていくのが嬉しい。
髪を撫でて、背を抱き、伸び上がる。
「……ん」
「跡部……続きはシャワーを浴びてからだ」
「じゃあ、一緒に入ろうぜ。待ってる時間が惜しいからな」
……一緒に入って何もせずに出てこられるとは思わないが、今日は跡部の誕生日だからな。望みは聞いてやりたい。
「来い、跡部」
「ああ、最高に贅沢な一日にしてくれよ」
跡部はそう言って俺の手を取るが、お前を幸福にできる俺の方こそ、世界でいちばんの贅沢者だと音には出さずに考えた。
#誕生日
今日のトレーニング
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神門大好きなので今クールはリアタイしたいなー。
#観劇 #暗鬼アニメ