No.600, No.599, No.598, No.597, No.596, No.595, No.5947件]

脱がせてやろうか?

NOVEL,テニプリ,塚跡 2023.03.30

18歳以上ですか? yes/no

NOVEL,テニプリ,塚跡

脱がせてやろうか?

18歳以上ですか? yes/no

(対象画像がありません)

恋の話をしよう

NOVEL,テニプリ,塚跡,永遠のブルー,情熱のブルー 2023.03.19

#両想い #ラブラブ #未来設定 #BOOST #永遠のブルー #情熱のブルー

発行物「永遠のブルー」・「情熱のブルー」の1エピソード はあっ……と湿った息を吐き出して、ベッドに肘…

NOVEL,テニプリ,塚跡,永遠のブルー,情熱のブルー

恋の話をしよう


発行物「永遠のブルー」「情熱のブルー」の1エピソード


 はあっ……と湿った息を吐き出して、ベッドに肘をつく。なんだ、これは。とてもじゃないが言葉になんかできやしない。
 幸福でたまらない。自分の中に、こんなにも温かな気持ちがあったなんて知らなかった。
「あとべ……平気か……」
「へいきじゃ、ねえ、けど、だいじょうぶ、だ」
 あまり平気ではなさそうだ。何度目なのかもう覚えていなくて、とても申し訳ない気分になってくる。
「すまない、とまらなくて……」
「だいじょうぶだって……言ってんじゃねーか……ばか」
 跡部の腕が首に居巻きついてくる。鼻先がすり寄ってきて、胸が締めつけられた。もしかして甘えているのだろうかと思うと、可愛くて仕方がない。
 それと同じくらい、嬉しい。
 跡部景吾が、他人に甘える姿というのは珍しいはずだ。いや、珍しいどころではないだろう。
 強くて、美しくて、高潔なひと。
 その男が、自分に甘えてくれるというのは幸福以外の何者でもない。
 俺は求められるままに唇にキスをした。
「ん」
 しっとりと濡れているそれはあまりにも扇情的で、またムラムラと欲情しそうだったが、さすがに無茶だろうと己を戒める。何しろお互い初めてだった。
 ほぼ十年、お互いだけを想ってきた。というのを、つい数時間前に知ったのだ。
 抑えきれなかった情欲を散々に刻みつけたけれど、正直に言ってしまえば足りていない。もっと触れたい。もっと触れてもらいたい。
 そんなふうに考えていることが知られたら、嫌われてしまうだろうか。
「なに考えてんだよ、手塚ぁ……」
 つんと眉間を指先でつつかれる。きっと皺が寄ってしまっていたのだろう。跡部の目はごまかせないな。
「お前のことだ、跡部」
「ククッ、ベッドん中、この状況で恋人(オレ)以外のこと考えてたら張り倒してやるぜ」
「それは怖いな」
 そっと額に唇を寄せる。跡部がくすぐったそうに身をよじった。かわいい。
「…………お前、そんな顔もするんだな」
「……どういうことだ」
 跡部が目をぱちぱちと瞬いて、驚いたような表情をする。俺はいったいどんな顔をしていたというのだろう。
「かわいいな」
「おい本当にどういうことだ。そんなわけないだろう」
「んなこと言ったって、そう思ったんだから仕方ねえだろ? 目ぇ細めて愛しそうに俺のこと見てんの、分かってねえのか」
「い、と…………間違ってはいないが、自覚がなかった」
 心当たりはあるが、それを可愛いと言われるのはどうにも癪だ。
「手塚、嫌か?」
「……嫌、というか、悔しい、だろうな。やはり俺の方がお前をたくさん好きな気がする」
「アーン? ふざけたこと言ってんじゃねえぞ。俺がどれだけお前を想ってきたと思ってやがんだ」
「知らん。だが絶対に俺の方が先なんだ」
「俺だっつってんだろ」
 至近距離で、お互いに譲らない視線が絡まり合う。ベッドの中で抱き合いながら言うことではない気がしてきた。
 そもそも跡部とケンカをしたいわけではない。俺はふうーと息を吐いた。
「不毛な言い合いは止そう、跡部。だが、気になると言えば気になる。いったいどの瞬間に俺をそうだと認識したのか」
「……それは俺も気になる。聞きてぇもんだぜ」
 お互い自分の方が先だと思ってはいるが、いつどうやって恋に気づいたのかは気になるところだ。
 まさか、そこまで同じ瞬間ではないだろう。
「では休憩がてら、話をしないか」
「休憩ってところがやらしーな、まだやんのか。つーかさすがに風呂入りてえ……汗だくなんだよ」
「ほぼ十年の想いが、あれだけで足りると思うなよ。風呂に湯を溜めてくる。少しゆっくりしていろ」
 根に持ってんじゃねーかと悪態をつく跡部をベッドに残して、俺はバスルームへと足を向けた。この広さなら、二人で入れるな。
 楽しみだ。跡部はいったいいつ俺を好きになってくれたのだろう。
 あの頃に思いを馳せながらベッドに戻ると、腰が立たないという跡部がいて、さすがに反省せざるを得ない。
 引きずってバスルームまで移動するしかないが、顔を真っ赤にした跡部のことをこの上なくかわいいと思っていることは、ひとまず言わないでおいてやろう。


#両想い #ラブラブ #未来設定 #BOOST #永遠のブルー #情熱のブルー

(対象画像がありません)

情熱のブルー-042-

情熱のブルー,塚跡WEB再録 2023.03.19

#塚跡 #片想い #ウェブ再録 #シリーズ物 #情熱のブルー

「は? アイツそんなこと言ってたのか?」 柔らかなソファに腰をかけながら、跡部はシャンパングラスを口…

情熱のブルー,塚跡WEB再録

情熱のブルー-042-

「は? アイツそんなこと言ってたのか?」
 柔らかなソファに腰をかけながら、跡部はシャンパングラスを口に運んだ。
「うん。不二がね、呆れつつも嬉しそうに教えてくれた」
 ふふっと笑いながら、滝はテーブルのカナッペに手を伸ばす。品のいい優雅な仕種は、中学時代から変わっていない。
「ホンマにベタ惚れやんなぁ、手塚……」
「そりゃ当然だろ、何しろ俺相手だからな」
「ほぼ十年片想いし合うとって、よう言うわ」
 そんなことを言うならもっと早く気づいただろうにと、忍足がやれやれと首を振る。それには何も返せなかった。
 今日は、跡部の家でテレビ中継を観ている。言うまでもなく、手塚国光の試合だ。現地に飛んでも良かったが、朝まで抜けられない会議があって、断念したのだ。けれども、気の置けない相手と一緒に画面越しに応援というのも悪くない。
 そんな中で、滝が口にした。
「彼が言うにはね、手塚は跡部の瞳が好きなんだって。〝あれは俺にとって何よりも強くて美しい、永遠のブルーだ〟って、特大ののろけを食らわされたらしいよ」
 絶句した。照れくさいのと同時に嬉しい。自分の何かが、手塚の中に焼きついているという事実。
「ふ、可愛いこと言いやがるぜ、あの野郎……」
 口許が緩む。目尻が下がる。
 どんな顔をしてそんなことを言ったのやらと思うと、画面越しの恋人がとても愛しくなった。
「ええ、これ可愛いんか……」
「でも、景吾くんも似たようなこと言ってたよね、あのインタビューでさ。好きな人のこと訊かれて、誰よりも美しくて強い人だって」
 よく覚えてるなと滝を見やる。跡部にとって手塚はずっとそのような存在だった。
「具体的にどこが? そら手塚もイケメン枠やけど、美しいてのがよう分からんわ」
「テメーに分からねえでもいいんだよ。……でもまあ、そうだな……手塚が俺のブルーに惹かれたと言うなら、俺もアイツのブルーに惹かれたってとこか」
 ソファの背に肘をつき、こめかみを押さえる。
 思い起こすのは、中学三年の夏だ。
 あの日初めて手塚国光と対峙し、がむしゃらさを知った。テニスに懸ける一途で純粋で貪欲な想いは心地良くて、自分も負けられないと思ったあの日。
「手塚の、青?」
「お前らには見えねえかもしれねえけどな。上手く説明できねえけど、あの日手塚が炎を纏っているのが見えた。勝利に対する執念だったのか、テニスに懸ける想いだったのか……青い炎みたいなオーラが見えたんだよ」
 メラメラと燃える青は、打球を、周りの視線をすべて巻き込んで跡部の瞳をも焼いた。
「あの日の空とアイツの炎が相俟って、すげえ綺麗だったな」
「へえ、それって景吾くんだけが見えるのかな。眼力インサイトのせい?」
「滝、ここは愛の力って言うとこやで……ロマンがないやろ」
「ああ、それじゃあ俺たちには到底見えないね」
 滝はソファに置かれていたユキヒョウのぬいぐるみをひょいと抱き上げ撫でる。
 手塚が、リラックスできるようにと贈ってくれたものだ。こんなに可愛らしいことをしてくれるのに、熱を宿した瞳は強引で、傲慢で、まっすぐだ。
「始まるぜ、試合」
 手塚の名が身体評価と共に画面に表示される。心を落ち着けている最中の手塚の顔がクローズアップされ、今日の試合も問題なさそうだなと跡部はソファに背を預けた。
「随分と余裕やなあ、跡部」
「……ねえ、今さ、手塚が左手の薬指に唇当ててたんだけど、意味深だね。……君たち本当に隠す気ある? これネットでもライブ中継されてるよね」
 カメラが拾い上げた瞬間は、跡部もしっかりと見ていた。自分に対するメッセージだと分かっていて、画面越しに指先でキスを投げてみる。届きやしないけれど、手塚には分かるだろう。
「あれだけで分かるわけねえだろ。ふふっ、今日もいい男じゃねーの」
「やっとれんわホンマ……」
「景吾くんの相手が務まるの、手塚くらいだよね。逆も然り」
 滝も忍足も、やれやれと肩を竦める。それはそうだろうなと、恋人になってから思う。あんなに傲慢で強引で貪欲で一途で融通の利かない男なんて、並大抵の覚悟で愛しきれるものではない。
 跡部景吾だからこそ全力でぶつかれるし、受け止められる。
 手塚国光だからこそ、全力でぶつかってくれるし、受け止めてもらえる。
 世界中でたった一人、跡部景吾が恋人と呼ぶ男。
 画面越しでさえ、熱い炎が揺らめいているように見える。
「今も、見えるの? 景吾くん」
「ああ。お前らも見えりゃいいのにな。あれは俺にとって何よりも美しくて強い――情熱のブルーだ」
 あの日見た青が、今もこの目に焼き付いている――。



#塚跡 #片想い #ウェブ再録 #シリーズ物 #情熱のブルー

(対象画像がありません)

情熱のブルー-041-

情熱のブルー,塚跡WEB再録 2023.03.19

#塚跡 #片想い #未来設定 #ウェブ再録 #シリーズ物 #情熱のブルー

 なぜだ、と跡部が頭を抱えている。それを横目で見ている手塚も、若干居たたまれない気持ちだった。「跡部…

情熱のブルー,塚跡WEB再録

情熱のブルー-041-

 なぜだ、と跡部が頭を抱えている。それを横目で見ている手塚も、若干居たたまれない気持ちだった。
「跡部、まあ一応おめでとうっつっとくぜ。二重の意味でな」
「跡部、さん……よかった、です、本当に……」
 というのも、昨夜ようやく叶った恋の成就が、誰も彼もにバレているからだ。
 今日は跡部主催のパーティーで、親しい友人や後輩たちを招いていた。
 氷帝メンバーや青学メンバーはもちろん、四天宝寺や比嘉、立海など、さすがに見知った顔ばかり。
 手塚のウィンブルドン優勝と跡部の上位を祝うもののはずだったのだが、参加者の誰もが別の意味での祝いを告げてくる。
 跡部が長いこと手塚を想っていたことを、氷帝のメンバーは知っていたらしい。というのを、跡部自身が初めて知ったようだった。
「……滝! 忍足ィ!」
 それでも一部には相談していたのか、どういう事態なのだと彼らを睨みつけている。しかし呼ばれた滝と忍足は、どこ吹く風だ。フォークで、小さなショートケーキを器用に一口大に切り分けて?張っている。
「あ、言っておくけど俺たちのせいじゃないからね」
「ここにおるヤツらのほとんどが、跡部か手塚の片想いを知っとったっちゅうだけの話や。手塚の方かて、青学の連中にはバレバレやったみたいやないか」
「あぁ!?」
 忍足の物言いに、今度は手塚が跡部に睨みつけられる。
 それには手塚も驚いて、「なんだと」と声を上げそうになった。青学のメンバーの方を振り向くと、何やらニヤニヤした顔をこちらに向けている。
 なんてことだ。まさか全員にバレていたなんて思わなかった。
「確かに……不二と、大石と……なぜか越前にもバレていたのは……薄々感じていたが」
「な……っ」
 跡部がカッと頬を染める。
 その様子は可愛らしいなと思うが、ここで口に出したらいけないのだろうなとも思う。
 不二はひらひらと手を振ってくるし、大石は気まずそうに頬を掻いているし、越前に至っては「まだまだだね」とでも言いたげに口の端を上げている。
 隠しているつもりだったのに、どうしてバレたのだろう。
 しかし周りにこれだけだだ漏れだったらしいのに、当の跡部本人に気づかれなかったのが不思議でしょうがない。
 ――――鈍いのはお互い様だが。
 好意を向けられるわけがないと、恐らくお互いが思っていたのだろう。本当にもったいないことをしたものだと、両手いっぱいに花束を抱える跡部を見やる。なんだかんだ言いつつも、照れているだけのようではあった。
「手塚クン、よかったなぁ。長いこと跡部クンのこと大っ好きやったんやろ?」
「アナタ、また面倒な相手に惚れたものですねえ。まあお祝いくらいは言っておいてあげますよ」
「手塚、やっぱり跡べーのこと好きだったんだね~。にゃはは~」
「こっ、こら英二っ。あ、手塚ホントにおめでとう。なんだか感慨深いな。ずっと見てたから、こっちとしては焦れったかったよ」
 次々に告げられる祝いには、一応礼を返しておいた。
 避けるでもなくからかうでもなく、ただ何も言わずに見守ってくれたことには、感謝しなければならない。同性相手の恋愛など、あの思春期まっただ中の頃では受け入れがたいこともあっただろうに。
「……これは正直想定外だが、ここのメンバーなら構わないだろう、跡部。そんなに嫌か?」
 隠していたつもりの恋情をことごとく知られていたせいで、跡部の表情は硬い。お互いの落ち度には違いないが、せっかく祝ってくれているのに、いつまでも拗ねてはいられないだろう。手塚としても、関係を否定されているようで少し寂しい。
「そうじゃねえよ。もともと氷帝のヤツら……滝と忍足には報告するつもりだったしな。ただ、箝口令は敷かせてもらうぜ」
 眉間にしわを寄せて、跡部は目を細める。不機嫌だったわけではなく、これからのことを見据えているのだと気がついた。
「テメェら、祝福ありがとよ。だがこのことを外部に漏らすんじゃねーぞ、いいな!」
 跡部は手を高く掲げてパチンと指を鳴らす。あの頃の氷帝コールよろしく、ざわついていた場内が静まり返った。キング、健在である。
「手塚、俺はお前とのことをスキャンダルにするつもりはねえんだ。俺にもお前にも、立場ってものがあるからな。下手をしたらスポンサーへの賠償なんて話にもなりかねねえ。公表してもいいが、慎重に時期を見る。いいな?」
 跡部は手塚に向き直って、真剣な顔でそう告げてくる。とても昨夜ベッドであんなに乱れていた男と同一人物とは思えない。その凜とした表情に胸が高鳴った。
「ああ、分かっている。俺とお前の真剣な想いを、スキャンダルなどとは言わせない。そんな言葉で汚される程度の気持ちではないからな」
 跡部の意図を酌んで、手塚は力強く頷く。跡部はそれに、幸福そうに笑ってくれた。その表情に、氷帝のメンバーがわずかに目を瞠ったのが見える。きっと珍しい表情だったのだろう。
 それを、自分の言動で見せてくれたことが本当に嬉しい。
「そういうわけだ、皆よろしく頼む」
 手塚も場内をぐるりと見渡し、ひとまずここだけに留めておいてくれるよう頼んだ。その辺りの分別がない連中だとは思っていない。
 跡部の言うように、時期を見て関係を公表することもあるかもしれないが、それまで胸に秘めておいてもらいたい。今の今まで黙っていてくれたのだ、そう難しいことではないだろう。
「つーかよ、氷帝と青学は理解ができるが、なんで立海や四天宝寺にまでバレてんだよ。おかしいだろ」
「俺はわりと早くから跡部の気持ちには気づいていたかな。だって君、手塚にもらったぬいぐるみ、W杯にまで持ってきてただろう? 可愛いったらないよね」
「なっ……」
 跡部の顔が真っ赤に染まる。手塚は目を瞠った。ぬいぐるみというのは、まさかあのユキヒョウのことだろうか。合宿所の部屋でリラックスできるようにと贈ったあれを、W杯にまで?
「……ほう。詳しく聞かせてもらおう」
「聞かなくていい! ばか!」
 もしや今も大切に持っていてくれているのではないだろうか。そう思うと、愛しくてしょうがない。どうしても口許が緩む。
「……ねえ、W杯っていえば跡部、覚えているかな。手塚が、ボクに借りたCD返しておいてほしいって頼んだの」
 横からかけられた声にハッとする。口許の緩みなど、すぐに消えてしまった。
「ああ、この俺様を使いっ走りさせたヤツかよ。後にも先にも、お前らくらいだぜ」
「不二」
 楽しそうに笑う不二を諫めようと名を呼ぶも、無駄らしい。まさかここで暴露されるとは思わなかった。
「ボクはね、手塚にCDなんか借りてなかったんだよ。あれは空のCDだった。少しでも君との会話を増やしたかったんじゃないかな」
「……は……?」
 肩にぽんと手を置きながら続けられて、跡部がぽかんとした表情をする。それは正直可愛らしいが、不甲斐なさが押し寄せてくる。
「不二」
「手塚が元気そうだったって聞いて、安心したよ」
「不二、それくらいで勘弁してくれ……」
 あの頃は幼すぎて、跡部を引き留める術が思い浮かばなかったのだ。今同じ局面になったとしても上手く立ち回る自信などありはしないけれど。
 どういうことだったのか理解をした跡部の頬が染まる。
「景吾くん、顔が真っ赤だよ」
「跡部にそんな顔させられるんは、やっぱり手塚しかおらんなぁ……。せやけどな、泣かせたら承知せんで、手塚」
「おいテメーらな……」
「跡部の泣くところは可愛いと思うが、傷つけるなという意味なら、心配は無用だ」
「――手塚ぁ!」
 何しろ昨夜充分堪能させてもらった、と声には出さずに頷く。もとより傷つけるつもりはない。
 幸せにするなどと大それたことは言えないが、大切にしていきたい。
「……んの……肝心なことは言わねえくせに、んなことだけ……!」
 顔を真っ赤にして睨みつけてくる跡部に、キスをしたくなったけれども、どうにか我慢した。それは褒められてもいいのではないだろうか。
 やっとれんわと肩を竦めながら忍足たちはパーティーの料理の方へ向かってしまう。不二や大石も、何か言いたげにしながらもやれやれと小さく首を振っていた。
 そこかしこで、会話に花が咲いている。話題は、近況やあの頃の思い出だ。
 今何をしているのか、これからどうするのか、そういえばあの頃はテニス漬けだった、今もラケットを握りたくなる、今度みんなで集まろうか――エトセトラ。輝かしい青春は色褪せることなく彼らの中にあるのだろう。
「そういえばさ、二人ともお互いのどこがそんなに好きなんスか? テニスの腕はすごいけど、恋愛的な意味で惹かれるとこあんのか分かんないんスよね」
 越前が炭酸ジュースのグラスをくるりと回しながら訊ねてくる。若干引っかかりを覚えるものの、周り中が聞き耳を立てているのが分かった。
「アーン? そんなもん、決まってんじゃねえか。なぁ手塚」
「ああ、訊かれる意味が分からないな」
 跡部が仕方ねえなというように肩を竦める。手塚も強く頷く。
 視線を交わしたわけでもなく、答えはただひとつだけ。
「全部だ」
 二人そろってそう口にするのに、全員が「仕方ないのはそっちだ」と肩を竦めるのは、やはり仕方のないことだった。


#塚跡 #片想い #未来設定 #ウェブ再録 #シリーズ物 #情熱のブルー

情熱のブルー-040-

情熱のブルー,塚跡WEB再録 2023.03.19

18歳以上ですか? yes/no

情熱のブルー,塚跡WEB再録

情熱のブルー-040-

18歳以上ですか? yes/no

情熱のブルー-039-

情熱のブルー,塚跡WEB再録 2023.03.19

18歳以上ですか? yes/no

情熱のブルー,塚跡WEB再録

情熱のブルー-039-

18歳以上ですか? yes/no

情熱のブルー-038-

情熱のブルー,塚跡WEB再録 2023.03.19

18歳以上ですか? yes/no

情熱のブルー,塚跡WEB再録

情熱のブルー-038-

18歳以上ですか? yes/no