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★★★
一人一人に用意されたベッドが、ふたり分の重みを受けて泣き喚く。
神田はぎゅうとシーツを握り締めた。
「い……い加減にしろよジュニアっ……!!」
「んー、何ー?」
赤みを帯びた髪が頬に当たる。くせのある彼の髪は、神田のそれとは全く違った軌道を辿る。
「なに、じゃねぇっ…何度やったら気がすむ…ッ」
同じような大きさの手が神田を包み、黒猫は背をしならせた。落とされたキスに、何度も呻く。
「んんぅっ、ん、ふ…、う」
絡め取られた舌先が、蹂躙されていく。
侵食、と。
そういえば一番近いだろうか。
「あ…う」
「欲しい? ユウ」
「い…るかバカッ」
腰を抱かれ、肌を吸われ、犯されていく。
「いつまで経ってもスナオじゃねーなぁ…さっきはあんなに俺を飲み込んでたのに」
耐え難い、屈辱。
耐え難い、快楽。
侵食された、溶けた脳。
「…んで……こん…なっ…あ」
「なにがよ」
「いつ…もと違ッ…うんだよ…!」
腕が離れることはない。
口唇が吸い付かないところはない。
いつもだったら、最後には。
最後には額にキスしてオヤスミいい夢を。
「マンネリになんないようにしてやってんじゃん。なぁ?」
「あっ…う……ぃきなり挿れんじゃね…!」
「だってユウ、酷くされんの好きだろ」
突き上げられる。
こんな乱暴な抱き方は【彼】らしくなかった。
「だれが……っも、よせッ…!!」
「あー、強いて言うならちょっとムカついてる」
グイと喉を締め上げられ、片目で見下ろされる。
その鈍い色の瞳は綺麗だなんて思ったけれど。
「かはっ…」
酸素を求め、彼の腕を引っかく黒猫。微動だにもせず、普段優しげな彼の瞳が凶悪に揺らめいた。
「気に入らないんだけど」
神田は声を絞り出す。なにが、と。
彼は笑って神田を突き貫いた。
ラビがモヤシ、と言うのと神田の悲鳴とが重なって空気に溶けた────
「で? 結局なんだよ。ヤキモチかよ」
「そうソレ。マジでムカツク」
気怠い身体を起こし放られたシャツを羽織る。いけしゃあしゃあと音にするラビに、神田は眉を寄せた。
「アホらし…」
「あっは、犯るぞ」
気に障ったらしいラビが笑顔で神田の肩を掴みベッドに引き戻す。
「待ておい、俺は3時間後に任務が入ってるんだ」
「だから? 平気だろユウなら」
「なんでてめーはそうなんだよジュニア!」
「やべー、ユウちょーカワイイ」
「離しやがれこの性欲魔人ッ!!」
降りてきた口唇に、神田の抗議は吸い込まれ。
入り込んできた舌を噛んでやっても、彼はオモシロそうに見下ろすだけだった────
#R18 #ラブラブ #両想い

周りには闇しかなかった。
右も左も上も下も、遠慮のない深い闇で、自分はずっとそこにいた。
「ユウ?」
口づけをした後で、不思議そうな声を上げるラビ。
嬉しそうに、でも不思議そうに。
自分の方から口づけることは珍しい。
「どした?」
目を開けてじっと見つめてみた。
おぼろげなライトに透けるオレンジ色の髪。
開かれていたら美しいだろう右目にかかる黒の眼帯。
耳を貫くピアスを弾き、それを擁する耳朶をペロリと舐める。
「…っユ…?」
「…────抱けよ、ラビ」
感じてるヤツを見るのは楽しかった。
渇いた口唇にゆっくりと口づける。
「ユウ…え、いいの…?」
自分から誘いをかけたのは片手で数えても足りるくらいだ。ヤツが歓喜しているのが手に取るように分かる。
「抱くのかよ抱かねぇのかよ、ハッキリしろ」
「ユ、ユウがいいなら…」
戸惑いがちのラビの手に、チッと舌を打った。
「まどろっこしいな、寝てろお前」
そう言ってトンと肩を押す。勢いでベッドに倒れこんだヤツを、上からまたぐ。
見下ろすのは好き、だった。
「え、ちょ、ユウ…っ?」
ラビがどんな表情をしているのか逐一知れる。
綺麗なオレンジの髪が、シーツに溶けるのを見るのが好きだった。
「な、なあユウ、どうしたんさ今日は」
「うるせぇ」
覆いかぶさって口唇を塞ぐ。ピクリと動いた腕は、やがて戸惑いながら俺の身体を抱きしめた。
開いた口唇に舌を差し入れる。すぐに絡め返してくれる舌が、少しだけ残っていた羞恥心を吹き飛ばした。
首筋に口唇を寄せる。
ラビの手が俺のシャツの裾から入り込んだことに気づく。心の中で笑った。ヤツが精一杯俺を欲しがっているのが分かってしまうから。
「…っ」
身体のラインをなぞられ息を呑む。
知り尽くされてしまった性感帯は、ヤツの手でいとも簡単に解放されてゆく。
「ユウ、すっげぇカワイイ」
「妙なこと抜かすなっ、嬉しくねぇ!」
くすぐったくて恥ずかしくて、額に巻かれたバンダナを目元まで引き下ろした。
「ユーウ、目ぇ隠されたらユウが見れないじゃん」
「見なくていいっ」
そもそも俺のどこをどう見たら【カワイイ】なんて言葉が出てきやがるんだ。
「でもいっか。ユウのイイとこ知ってるし」
「っ…ア」
いきなり握りこまれ、嬲られる。
思わずベッドに手をつき、ラビの与えてくる感覚に酔った。
いつからこんな風になったんだろう。
ヤツの瞳は俺を追うのが当たり前になって、俺の身体がヤツを求めるようになって。
周りには闇しかなかった。
心地よかった。
それが当たり前だと思っていたのに。
「ユウ…指、舐めて?」
ラビがゆらりと手を伸ばしてくる。ヤツのせんとすることが手に取るようにわかり、俺は軽く首を横に振った。
「い……自分で…慣らす…」
「珍しくね? 見ててもいい?」
「いい、わ…けあるか、バカッ」
未だ俺を嬲りながらラビはえー、と膨れる。可笑しくなって、指でその尖った口唇を弾いた。
…のが間違いだった。
「…っ」
ラビがその手を捕らえ、舌を絡めだす。俺の肩が震えた。
「ラ…ビ…っ」
温かな感触が背筋にまでぴりぴりと刺激をもたらす。
「何、舐めてるだけじゃん? …感じる?」
絡めながらの言葉が快楽を誘う。
間接を唾液が伝う。
湿った音が耳に入り込んだ。
「も…いい……っ」
これ以上は熱が上がってしまう。
手を引き剥がし、濡れた指を自分の秘部にあてた。
「く…」
堪らない。
自分をかき回しているのは確かに自分の指なのに、それに絡められたモノがラビの唾液だというだけで、恐ろしいほどに昂ぶってしまう。
「ア…っん」
自分を追い立てているのは確かに自分であるのに、ラビに侵食されていると錯覚する。
「う……っあ…、は…!」
「ユウ…やらしー…」
「うるせぇ黙ってろ…!」
ヤツが興奮しているのがわかる。
それを感じ取って、また俺の欲望がレベルを上げた。
指を引き抜き、息を吐く。
「ユウ? もうイイの?」
「……~だ…から黙ってろっつってんだろ…!!」
屹立したそれをあてがい、ゆっくりと埋めてゆく。
内臓全部が口から飛び出してきそうな圧迫感。
「んん……!!」
「っ…ユウ、悪ィ…ちょっと……力抜いて」
キツイ、と浅い息の中音にしてくる。
「…っかやろ……てめェがでけェんだろうが…!!」
「だ~ってユウが自分からして…くれるなんて…珍しい、じゃん? オレも興奮してんのさ~」
「知るか、馬鹿っ…」
口唇が震えた。喉が震えた。────歓喜に。
この男は求めたものを与えてくれる。
「ん…っ」
「ユウ、やっぱキツイ?」
ラビはそう言ってバンダナを押し上げる。鈍色の瞳が心配そうに俺を見上げているのがくすぐったくて。
嬉しかった。
「……平気、だ。い…から寝てろ」
愛しくて、愛しくて、ゆっくりと身体を傾け喉許を強く吸った。
くっきりと痕が残るように。
「つ…ユーウ、あんまり強くしたら痛いってー」
嬉しそうに責めるヤツがおかしくて、位置をずらし同じような痕を残した。
所有、の刻印。
「情熱的だな~ユウは~」
照れ隠しなのか、茶化すように笑うラビ。
俺もそれにつられたのか、照れくさくなって顔を背けた。
「ユウ? 怒った?」
「別に怒ってねェよ…!」
ラビの手が頬に伸びてくる。ゴメンて、と。
「お詫びにユウにもつけたげるー」
「バッ、馬鹿ラビお前っ、急に動くな!」
ラビが身体を起こし、俺の身体を抱え込む。
必然的に深くなってしまった結合部が疼いて、びくりと身体を震わせた。
「え~、でもユウ見てたら人形なんてマジ無理さ~」
そんなワケのわからないことをほざきながら、ラビはそのまま俺を押し倒す。
「あう……ッ…」
「ユウ、大好き」
動き始める余裕のなさげな腰に、俺の抗議は無駄に終わった。
「……んの馬鹿ウサギっ…」
せめて愛しい肩に爪を立て。
#R18 #両想い #ラブラブ #ラビユウ