人外

キスインザダーク-嵐の夜に-

キスインザダーク-嵐の夜に-【20】

部屋のドアの前、何か・・がうずくまっている。いや、何かというよりは、人だ。人の形をしている。全身黒ずくめ、床についた長い髪。 ドクンと胸が跳ねて、躍った。 「シキ……?」 その名を呟くとともに、駆け出していた。階段からそこまではどれほど...
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b-boy投稿人外学生長編
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キスインザダーク-嵐の夜に-【19】

6.幸福の行方 構内の木陰で、恋を告白された。申し訳ないといった風に呟く相手は、サークルの先輩である斉木だ。 「……すみません、先輩」 だけど幸人は、その好意を押し戻すことになる。 「あっ、う、うん、そうだよな、分かってる分かってる、やっ...
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b-boy投稿人外学生現代ファンタジー長編
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キスインザダーク-嵐の夜に-【18】

ベッドの上で目を覚ましたのは、話し声が耳に入ってきたせいだと思う。幸人はゆっくりと目蓋を持ち上げ、そこにシキの背中を見つけた。 (……今、何時だろ……も、何回したのか分かんない……) 何度目からか、ベッドに移動してもらったことは覚えている。...
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b-boy投稿人外学生現代ファンタジー長編
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キスインザダーク-嵐の夜に-【17】

「シキ、も……い、だろ、やめ……あ……っ」 混ざり合った唾液が、口の端からあふれ喉を伝っていく。それを舐め取るのと同時に、シキが膝を折る。すでに体の力が抜けきっていた幸人はそれにつられるしかなくて、気がつけばどさりと床に押し倒されていた。 ...
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b-boy投稿R-18人外学生現代ファンタジー長編
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キスインザダーク-嵐の夜に-【16】

「アイツに、何をされた?」 そうしてシキは振り向かないまま訊ねてくる。幸人はびくりと体を強張らせ、濡れた唇を拭った。 「べ、別に……キスと、ちょっと体触られただけだよ」 シキが背中を向けたままでよかったと幸人は思う。今はシキの顔をまともにな...
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キスインザダーク-嵐の夜に-【15】

「なっ……何してんだよ!!」 幸人は青ざめて、リビングを突っ切る。足の下で割れたガラスがガシャガシャと音を立てたけれど、音と痛みを気にするより、今目の前で起こったことが信じられない。信じたくない。 羽根をもがれて、六階から放り投げられて、...
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キスインザダーク-嵐の夜に-【14】

「正直あんまり期待してなかったけど、美味そうな匂いがするねえ」 シキの肩越しに、白く光る人――いや、違う、悪魔候補生だと脳が瞬時に認識した。ここは六階だ、普通の人間が窓から入ってこられるわけがない。 白い髪に、白い肌、白い唇。色素のすべてが...
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キスインザダーク-嵐の夜に-【13】

5.触れるべきではなかったもの 次の日も、外は雨の音がうるさかった。 「なーこれも候補生関わってんの? 昨日からずっとこんなじゃん……」 もう昼近く、起きてリビングに足を踏み入れると、昨日と同じ状態で窓際に座り込むシキがいた。 「……雨だ...
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キスインザダーク-嵐の夜に-【12】

「雨、まだ止まないのか?」 リビングを覗けば、シキはじっと窓の外を眺めているばかり。降りしきる雨は窓を叩き、楽しいことはなさそうなのに。 「向こうで電車が止まっているな。停電らしい」 「え、それもこの雨の……っつーか他の候補生のせい?」 「...
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キスインザダーク-嵐の夜に-【11】

「サイアク」 サークルのミーティングが終わり、帰り支度を整えて階下に降りた途端、エントランスの方に人だかり。引き返してくる人たちもいて、何だろうと思っていたら、外は土砂降りの雨だった。今回も朝の天気予報ではそんなこと一言も言っていなくて、本...
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