No.328, No.327, No.326, No.325, No.324, No.323, No.3227件]

(対象画像がありません)

悪魔でペテン師

NOVEL,A3!,千至 2018.05.20

#両想い #千至 #ワンライ

 失敗したわ、マジで。 草食系だとは思ってなかったけど、こんなに肉食系だとも思ってなかった。 先輩の…

NOVEL,A3!,千至

悪魔でペテン師



 失敗したわ、マジで。
 草食系だとは思ってなかったけど、こんなに肉食系だとも思ってなかった。
 先輩の舌が、俺の舌を捕らえる。逃げ惑う暇もなくて、強く吸われた。

「ん、う……っ」

 マジか。俺の声かこれ。なにこんな甘ったるい声出してんの? どっから出てんの? 止めるべきか、これは。先輩だってさすがに萎えないか?
 自分から出てるとは思えない、思いたくない声を、俺の惚れた人はどう思うんだろう。互いの気持ちはなんとなく察していながらも、実はキスなんかするの初めて。小学生か。
 おかげで勝手が分からないっていうか、思考が働かないっていうか、ログインできない。詫び石もらえるかなこれ。

 力強い舌が、何度も、何度も、俺を縛り付けるように絡んでくる。ぞわぞわと背筋を這い上がる〝何か〟は、嫌悪感じゃないんだろう。

 いやマジないわ。キスがこんなに気持ちいいとか。この手練れさんめ。ムカツク。
 先輩は今まで何人とこういうお付き合いをしてきたのか、確かめるすべはない。だって訊いたところで絶対噓つくからな、このペテン師め。そういやオズワルドはかっこよかったわ、腹立つ、クソが。

「……茅ヶ崎、何考えてる?」

 ちゅ、と濡れた音をまとって、先輩がようやく解放してくれる。別にがっかりはしてない。突然で驚いただけだから。
 は、は、って浅い息を繰り返しながら、眼前の先輩をにらみつけてみる。

「慣れてんですね、キス」
「別に普通だと思うけど? そりゃまあ二つ年下のゲーム廃人よりは慣れてるかもしれないが」
「腹立つ。今の今まで手も出してこなかったのに、解禁したらがっつくとかアリか、このペテン師」
「綴の当て書きは間違ってなかったってことだろう。……嫌なら、やめるけど」

 先輩が眼鏡を押し上げながらそう呟く。あざとい。この人自分がその仕種似合うって分かっててやってんだろ。ときめくわアホが。
 嫌なわけない。ずっとキスしてほしかったのに、なかなかしてくれないからって、俺の方からしたんだ。釣れたのはホッとしたし、ようやく一歩進めたのも嬉しいんだよね。
 ただ、俺が予想してなかったことをアンタがしてくるから、戸惑ってるだけ。
 ソファの上で向かい合って、触れるだけのキスだったかと思えば、指を搦め捕られて引かれ、体が密着した。それだけでもドキドキしてヤバかったのに、こんな深くて長いキス、ずるい。

「嫌がってるように見えます?」
「ちっとも」

 そういうとこな。そういうとこな卯木千景。自分のテクによほどの自信があるのか知らんけど、少しはしおらしくしてればかわいげもあるのに。
 だけど事実、嫌じゃないんだから困る。俺は先輩のことが好きで、もっと言えば愛してて、たぶん先輩も同じような気持ちを持ってくれている、はず。
 過去なんか気にしないと言えないのは、俺の愛が足りないのか、先輩からの言葉が足りないのか。

 ……ちょっと待て。俺、先輩から何も言われてない。

 そりゃ先輩の気持ちは分かってるつもりだし、こんなキスまでされてるんだ、言葉が欲しいなんて女々しいことは言いたくない。言いたくないけど、女々しくていいからやっぱり欲しい。

「キスだけうまい男に惚れたつもりないんですけど」
「キスより先もうまければいいのかな?」
「そこじゃないでしょ!」

 あーもう、正直、卯木千景攻略マニュアルが欲しい。選択肢出てこない。リアルの恋愛でこんなに手こずるとは思ってなかった。どう言えば、俺の欲しいアイテムくれんの、この人は。
 俺は大きく息を吐いて、疲れ果てたように頭をソファの背もたれに預けた。はっきり言わないと駄目なのか。疲れるわマジで。おつおつ、俺。

「冗談だ。茅ヶ崎があんまり可愛いこと言うから、少しいじめたくなってね」
「は?」
「……好きだ、と、何度言えば足りるかな?」

 俺が目を見開いたその先で、先輩はそっと眼鏡を外す。なにその突然のデレ。欲しがっておいてなんだけど、あまりにも現実感がなかった。
 先輩の指が、俺の口許を拭っていく。さっきのキスで唇を濡らしていた唾液を持っていかれたのだと分かる。その指先についた唾液をこれ見よがしに舐め取る様を目の当たりにして、俺はようやくハッとしてカッとなった。
 これは悪魔の囁きだ。なんてことだ、恋人は悪魔でペテン師なのか。

「それとも、愛していると言えばいい?」

 ああもう降参です。降参するんで、そう色っぽい声で俺を翻弄しないでください。


#両想い #千至 #ワンライ

(対象画像がありません)

小悪魔みたいな

NOVEL,A3!,千至 2018.05.20

#両片想い #千至 #ワンライ

 誰にも心なんか許さない。家族と認めた〝あのふたり〟以外に、心を持っていかれることは絶対にない。一生…

NOVEL,A3!,千至

小悪魔みたいな


 誰にも心なんか許さない。家族と認めた〝あのふたり〟以外に、心を持っていかれることは絶対にない。一生涯だ。
 俺は、大袈裟でなくそう思っていた。
 安らげる場所なんてない。ましてや恋だなんて馬鹿げたこと、自分には一生関係ない。そんな感情を抱く相手はいないと思っていた。

「茅ヶ崎。そろそろどいてくれないか」
「無理。今から中ボス戦なんでー」
「俺の膝を枕にか」

 MANKAI寮103号室、茅ヶ崎が持ち込んだソファの上で、俺はうんざりといったふうにため息をついた。
 というのも、かれこれもう数十分、茅ヶ崎の頭が俺の膝を占領しているからだ。
 ポータブルのゲーム機を手に、前髪をアップにして留め、いつもの部屋着で楽しんでいる。それは別にいい。頭を乗せる場所が、膝でなければ。

「あ、ちょっと硬いんで柔らかくしてもらえません?」
「無茶言うな。寝転がりたいんだったら枕持ってきてやるから、いったん退け」
「枕だとなんか物足りない」
「いつもベッドで使ってる枕だろう。合わないのか?」

 春組の公演を無事に終えてからは、茅ヶ崎との個人間契約もあってないような物になった。ゲームをしている時間に部屋に入っても何も言われないし、ときにはガチャだかなんだかを手伝わされることもある。
 だいぶ気を抜いてしまっている自覚はあった。仕事で疲れているのもあったかもしれない。ただ流れで、ソファの空いている部分に腰をかけてしまったのがいけなかったのだろう。
 五分ほどおとなしくゲームをしていた茅ヶ崎が、急に体勢を変えたのだ。俺の膝を枕にソファの上で寝転がるという、今の状態に。
 確かにこのソファは茅ヶ崎の私物だが、了承も得ずに腰をかけただなんて心の狭いことを言う男ではないはずだ。

「別にそういうわけじゃないですけど。……案外鈍いなって」
「鈍い? 何が」

 どうにも話がつながらない。何が鈍くて、鈍いとなぜ膝を枕にされるのか。空腹で茅ヶ崎の頭が働いてないのではと思うほど、意思の疎通ができなかった。
 いい加減にしろと手を伸ばそうとしたそこで、ソファに手をついた茅ヶ崎がぐんと伸び上がってくる。

 ちゅ。
 ぺろ。

 乾いた唇と、濡れた舌が、俺の唇をかすめた。

「な、……なに、してるんだ、茅ヶ崎」
「いつキスしてくれるかなって、待ってたんですけどね、じれた。先輩の馬鹿」

 不機嫌そうに眉を寄せ、生意気に文句を吐いてくる。不意打ちを食らうなんて、俺としたことが。
 だいぶ参っていると自覚する。疲れているという意味ではない。
 キスを待っていたという男を、なかなかキスをしてくれないから自分からしたという男を、悪態をついてくるその拗ねる様までもを、こんなにも可愛く思うだなんて。
 どうかしている。本当にどうかしている。
 心を全部明け渡すなら〝あのふたり〟にだろうと思っていたのに、よりにもよって。

「まだしない方がいいかなと思っていたんだけど。キスだけじゃ我慢できなくなるだろう? 茅ヶ崎が」
「先輩の方でしょ、それ。俺を抱きたくなるからキスしないなんてこと、とっくに知ってましたよ」

 よりにもよって、俺の心を全部持っていくのは小悪魔みたいな同僚だった。

「愛してますよ、先輩」

 ああもう降参だ。降参するから、そう色っぽい目で見上げてこないでくれないか。


#両片想い #千至 #ワンライ

鏡越し

NOVEL,A3!,千至 2018.05.20

18歳以上ですか? yes/no

NOVEL,A3!,千至

鏡越し

18歳以上ですか? yes/no

ONE NIGHT IN HEAVEN-006-

カクテルキッス01 2018.05.03

18歳以上ですか? yes/no

カクテルキッス01

ONE NIGHT IN HEAVEN-006-

18歳以上ですか? yes/no

ONE NIGHT IN HEAVEN-005-

カクテルキッス01 2018.05.03

18歳以上ですか? yes/no

カクテルキッス01

ONE NIGHT IN HEAVEN-005-

18歳以上ですか? yes/no

ONE NIGHT IN HEAVEN-004-

カクテルキッス01 2018.05.03

18歳以上ですか? yes/no

カクテルキッス01

ONE NIGHT IN HEAVEN-004-

18歳以上ですか? yes/no

(対象画像がありません)

ONE NIGHT IN HEAVEN-003-

カクテルキッス01 2018.05.03

#セフレ #シリーズ物 #ウェブ再録 #カクテルキッス

「……お前、人に出された物飲むのはマナー違反だろう」「先輩そういうこと気にするタイプじゃないでしょ」…

カクテルキッス01

ONE NIGHT IN HEAVEN-003-


「……お前、人に出された物飲むのはマナー違反だろう」
「先輩そういうこと気にするタイプじゃないでしょ」
「茅ヶ崎、あの女に食われたいのか?」
「は?」
「女を振り向くな。俺の質問に答えろ、あの女とホテルに行きたいなら邪魔はしない」
 あの女と言われて、このカクテルをくれた女性だろうと思い当たり、振り向こうとするけれど、千景の鋭い視線と低い声に負けて、できやしない。さらに、面倒そうな言葉が降ってくる。
「冗談でしょ。悪いけど好みじゃない」
「ああ、監督さんみたいなのがタイプか? それなら女の好みは悪くないな」
「いや監督さんにそういうアレは……」
「まあお前の好みはどうでもいいけど、面倒なことしてくれたな」
 グラスを持つ手首をカウンターに押しつけられる。これ以上飲むなということなのだろうが、面倒という理由が至には分からない。
「茅ヶ崎、怒るなよ? ……俺に合わせろ」
「え、ど、どういう」
『二人で飲もうなんて言ったから期待したのに、女の誘いに乗るのかよ、修司(・・)
 千景の声のトーンが変わる。違う名で呼ばれる。エチュードなのだと瞬時に悟った。
『そ、そんなつもりは』
『カクテルの意味も知らないで、ほいほい受け取るな。一夜だけの遊びができるんだったら、俺でもいいだろ……!』
 千景の……千景の役が、押しつけられた手からグラスを分捕っていく。至は役に入りきれずに目を泳がせた。
(一夜限りって、あーもしかしてそういう意味かコレ)
 カクテルにも、それぞれ意味があるのだと、先ほど知った。察するに女性から送られたアキダクト・カクテルとやらは、一夜限りのワンナイトロマンスというような意味でもあるのだろう。
 それとは知らずにうっかり飲んでしまったことを、さすがに後悔した。千景が怒るのも無理はない。
『修司』
貴史(・・) 、え、ちょっと、待っ……』
 考え事をしている隙に、グイと強く抱き寄せられた。
〝貴史〟の真意を悟る前に、唇同士が触れてしまう。流れ込んできたのは、一夜限りを意味するアキダクト。
 至は目を瞠る。傍にいた店員が、気を利かせてか離れていくのをその視界に認め、顔の熱が上がった。
(怒るなよって、これ、怒るに怒れないんだけど……)
 塞がれた唇では、物理的にも、そして助けてくれているのだと思えば、心理的にも怒れない。たかがキスだ、と目蓋を落とす。
(先輩、じゃ、ないか。貴史はずっと修司のこと好きだったって設定だよな。でも貴史だってまんざらでもなかった……違うな、好きだった、の方がいい。期待、したよ。二人で飲もうって言ったら、OKしてくれたの……)
 エチュードでも、観客がたとえ少なくても、気を抜きたくない。紬や丞の演劇馬鹿が移ったかなと、至は空いた片腕を背中に回して抱き寄せた。
『貴史、いやだよ、俺……』
 いったん唇を離して、正面の彼をじっと見つめる。
〝彼〟の瞳が寂しそうな色に変わるのに、胸がズキリと痛んだ。
『お前とは、一夜なんかじゃ終われない……!』
『修、……』
 そうして自ら唇を重ねた。
 彼とキスをするのは初めてではない。気持ちよかったあの日のキスを、まだ忘れていない。乗ってくるかなと思いつつ唇を開けば、忍び込んでくる舌先。すぐに捕らわれる……いや、捕らえさせた。
『んっ――』
 初心なふりをしようか。それともいっそ積極的に出てみようか。
 彼はどちらの方が好みだろう、とうっすら目蓋を上げれば、レンズ越しの瞳と出逢ってしまった。
 愛しそうに〝修司〟を見つめるその色に、ドキリと胸が高鳴った。
 同時に、ぞわりと何かが背筋を這い上がってくる。
 心音が速くなる。〝貴史〟が触れている箇所が、異様に熱い気がしてくる。
(入りすぎた。いや、まだ大丈夫、入りすぎたって思える自分が残ってる)
 カウンターで情熱的なキスを交わしながら、至は引き際を探した。いや、探したいのにそうできない。彼のキスは心地が良すぎる。
(待って。待ってヤバい……やっぱこの人相当な場数踏んでんだな……)
 ぞわぞわと肌を取り巻くこの感覚が、何なのかは理解できる。
 理解はできるが、認めたくはなかった。
(キスひとつで感じるとか、ほんとこの人チート過ぎる。これで何人の男を手玉に取ってきたんだか)
 なんだか無性に腹立たしい。
 仕事なのかプライベートなのか知らないが、そのうちの一人になんかされたくない。
 至は絡みつく舌に歯を立ててやった。
 ん、と小さく声を上げて、千景の体は離れていく。その視線は至ではなく、テーブル席の女性に注がれているようだった。
『ここ、出ようか、修司』
『貴史……』
『収まりがつかない』
 それでも演技はまだ続けているようで、手が腰に回ってくる。びく、と震えたのは、演技だということにしておいた。
「今後、お前と二人で飲みにいくのはやめにしておくよ、茅ヶ崎。どんなイレギュラーが起こるか分かったもんじゃない」
 飲んでしまったアキダクトの分に、チップを少々上乗せして、店を出るなり卯木千景に戻る一人の男。さらりとした髪を、すらりとした指で面倒そうにかき上げるのが、癇に障った。
「すいませんでしたね、世間知らずで。っていうかあんな意味があるとか思わないでしょ、普通」
「茅ヶ崎ならそういう誘いもたくさんあっただろ、これまでに。もっとあからさまなのかな」
 おかげで、助けてもらった礼もろくに言えていない。突然唇を奪われたことで帳消しになるだろうかと、視線を背ける。
「あからさまな方が、分かりやすくていいですけどね。色仕掛けで仕事取ったことなんてありませんから、俺は」
「なんだ、いやみとはご機嫌斜めだな」
「誰のせいだと思ってるんです? あ、あんな……突然キスなんかされたら、怒りたくもなりますよ」
 今さら唇を拭っても、感触は消えない。
 千景の唇、千景の舌先、濡れた音、湿った呼吸、響く衣擦れ。
 おかしな気分になっているのは、自分だけだと言われているようで、恥ずかしくてしょうがない。
「怒るなって言ったぞ、俺は。ああでもしないと、お持ち帰りコースだっただろう。あの女、いっそどっちでもいいみたいな顔してたからな」
 あの手合いはいろいろ搾り取られる、とネクタイのノットに指をかけて崩す。その仕種にさえ、胸が鳴ってしまった。
(あのカクテル、何ていったっけ、アキ……アキダクト、そう、アキダクトのせいだ。ウォッカが強い……そのせいだ、絶対)
「まあ、お前とのキスは悪くなかったな、茅ヶ崎。うちのエージェントにいたら、ボトムで充分やっていけるだろうに」
 振り向いた千景の指先が、至の唇を撫でる。どういうつもりで、そんないたずらを仕掛けるのか、少しも分からない。分からなくて腹が立つ。たぶん、それだけだ。
「じゃあ、先輩がお持ち帰りします?」
 その指先が離れていく前に、至はぺろりと舌先で遊ぶ。レンズの奥の瞳が揺れたのを確認して、気分が良かった。
「茅ヶ崎」
 とがめるような、いさめるような視線が突き刺さる。動揺は一瞬で隠れてしまった。
 自分はこの男をどうしたいのだろうと、至はレンズの向こうの瞳をじっと見返す。慌てさせたいのか、暴きたいのか、跪かせたいのか。最後のはないかなと思いつつ、口の端を上げた。
「俺の中にアキダクトなんか流し込んでおいて、そのまま知らんぷりって、ひどくないですか? 先輩」
「……キスだけじゃ足りなくなったって言うなら、まあ、確かに俺にも責任があるか」
「それな。あんな恋人同士みたいな熱いキス、体が勘違いしちゃってもしょうがないでしょ」
 千景はややあって、あからさまにため息をつく。至が舐めた指先で眼鏡のブリッジを押し上げ、目を細めた。
「ノンケに手を出す気はなかったんだけどな。まあ茅ヶ崎なら、面倒なことになる可能性はゼロだし……いいよ、ついておいで」
 どうも子供をあやすような言葉に、至は眉をひそめる。ベッドへの誘いくらい、もっと色気があってもいいんじゃないか。そんなふうに思う。
 せめてもう少しだけでも優しさがあれば――そう続けて考えかけ、ふと足を止めた。あれば――なんだというのだろう。
「茅ヶ崎? 怖じ気づいたなら、帰っていいよ」
 立ち止まってしまった至を訝しんで……いや、面白がって、千景が振り向いてくる。その言いように至は諦めたように息を吐き、小さく首を振った。
 この男に、優しさなんて求めたら負けなのだと。
「行きますから、ちゃんとイカせてくださいね」
「ああ、わりとお安い御用だな」
 口の減らない千景に、対抗できる手段など今のところない。至は早々に諦めて、熱のこもる体だけどうにかしてもらおうと、彼の少し後ろを歩いた。


#セフレ #シリーズ物 #ウェブ再録 #カクテルキッス