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No.710
NOVEL,テニプリ,塚跡,塚跡お題100本マラソン 2025.03.29
#お題 #両想い
「目くらい閉じたらどうだ」「テメェが閉じたらな」「先に閉じて構わないぞ」「俺は後でいい」 正面で向き…
NOVEL,テニプリ,塚跡,塚跡お題100本マラソン
お題:リライト様 /ゲーム・オーバー
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「目くらい閉じたらどうだ」
「テメェが閉じたらな」
「先に閉じて構わないぞ」
「俺は後でいい」
正面で向き合って、かれこれ三十分ほど、こんなやり取りが続いている。
どちらも、頑なに譲ろうとしない。難しいことではないのだ。
ただ単に、瞳を閉じるというだけの行為が、難しいわけもない。
それなのに、どうして手塚と跡部は、自分が先に閉じることをよしとしないのだろうか。
「……キスをしたいと言ったのはお前だろう」
「だからって、先に目を閉じなきゃいけねえルールはねえだろ」
沈黙が流れる。つまりはキスをするような間柄ではあるのだが、その際に目を閉じる閉じないで揉めているようだ。犬も食わないとは、まさにこのことだろう。
「目を閉じない理由を話せ」
手塚は、キスをしたいのなら目を閉じろと言うが、跡部はそれを聞かない。最後の通告だとでも言わんばかりの強い口調で、促してみた。納得のいく理由ならば、考えてやってもいいと。
「お前の顔を見ていたい。ただそれだけだぜ」
跡部は、なんのためらいもなくそう返してくる。諫めたつもりが、追撃を受けて撃沈したような感覚を味わった。
「………………そんなことを言うなら、俺だってお前の顔を見ていたいんだが」
「なんだよ手塚、俺のこと好き過ぎだろ」
「それはお前もだろう、跡部」
違いない、と笑う跡部に、手塚は唇を寄せていく。キスの時は瞳を閉じなければならない――なんて、そんなルールが決められているわけではないのだなと、ようやく二人はキスをした。
どちらが負けて、どちらが勝ったのかは分からないが、これでゲーム・オーバー。そして、リスタートだ。
#お題 #両想い